ParaViewの概要

ParaViewはBSDライセンスのもと公開されているオープンソースのマルチプラットフォーム対応アプリケーションで、あらゆるスケールの科学データの可視化が可能である。ParaViewの可視化機能は米国Kitware株式会社が開発した可視化ツールキットVTK(Visualization ToolKit)によって提供されているものであり、ParaViewはクロスプラットフォームのアプリケーション・UIフレームワークQtを用いて構築された、VTKのGUIフロントエンドと呼ぶべきだろう。

ParaViewは完全なクロスプラットフォームアプリケーションであり、Windows、Linux、Mac OS Xなどさまざまなオペレーティングシステム上で動作する。ParaViewは当初より分散メモリ型クラスタコンピュータでの利用を想定して開発されており、シングルCPUのデスクトップPCはもちろん、Blue GeneやCray XTといったスーパーコンピュータ上でも実行可能である。

ParaViewはモダンなユーザインタフェースを有しており、無償ソフトウェアであることを忘れてしまうほど操作性に優れている。ParaViewは単なる科学計算向けのビジュアリゼーションソフトウェアと捉えられがちであるが、分析機能やグラフプロット機能も充実している。また、処理された結果はさまざまなフォーマットで出力可能であり、汎用性に優れている。さらにMPICH2による並列処理、Pythonスクリプトによるバッチ処理など、大規模科学計算で必要とされる機能が網羅されている。コミュニティも活発であり、専用メーリングリスト上では連日複数のトピックが投稿され、開発陣を含む世界中の技術者がコメントを寄せている。

以上の理由から、汎用可視化ツールとしてParaViewを導入するメリットは大きいといえる。

タグ: , , , , , , , , , , ,

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*